憧れのエスプレッソマシン、デロンギのスティローザを手に入れたのに、いざ淹れてみると「なんだか味が薄い」「お店のような濃厚さがない」と悩んでいませんか。実は、スティローザで美味しいエスプレッソを淹れるには、いくつかのコツが必要です。
この記事では、デロンギのスティローザでコーヒーが薄いと感じる原因を掘り下げ、初心者の方でもすぐに実践できる解決策をご紹介します。豆選びから抽出のテクニックまで、理想の一杯に近づくためのステップを一緒に確認していきましょう。自分好みの濃厚なエスプレッソを楽しむためのヒントが満載です。
デロンギ スティローザで抽出したエスプレッソが薄いときに確認すべき基本

せっかくスティローザを使って家庭でエスプレッソを楽しもうとしても、抽出された液体が茶色いお湯のように薄いとがっかりしてしまいます。スティローザは本格的なポンプ式マシンですが、設定や準備が少しズレるだけで味に大きな影響が出ます。
まずは、エスプレッソの質を左右する「粉の状態」と「詰め方」を見直すことが先決です。これらは抽出の基礎となる部分であり、薄さの原因の多くがここに隠されています。基本を一つずつ整理して、どこに改善の余地があるのかを探ってみましょう。
粉の挽き目(粒度)が粗すぎないかチェックする
エスプレッソが薄くなる最大の原因の一つは、コーヒー粉の挽き目が粗すぎることです。お湯が粉の間をすり抜けるスピードが速すぎると、コーヒーの成分を十分に引き出すことができません。これを「未抽出」と呼び、味が薄く酸味が強くなる傾向があります。
スティローザのような家庭用マシンでは、「極細挽き」から「細挽き」の間で調整するのが理想です。指で触ったときに、上白糖よりも細かく、パウダー状に近い感触があるか確認してください。もし市販の「中挽き」の粉を使っている場合は、それが薄さの直接的な原因です。
ご自身でミル(グラインダー)を使用している場合は、少しずつダイヤルを細かくして調整してみましょう。細かくしすぎるとお湯が出なくなりますが、その手前の「ゆっくりと糸を引くように流れる状態」を目指すのが、濃厚な一杯への近道となります。
コーヒー粉の量(ドーシング)が不足していないか
次に確認したいのが、フィルターバスケットに入れている粉の量、いわゆるドーシング量です。粉の量が少なすぎると、バスケット内に余分な隙間ができてしまい、お湯が粉全体に均一に浸透せず、薄い抽出になってしまいます。
スティローザの付属バスケットの場合、2杯用であれば約12gから14g程度が目安となります。デジタルスケールを使って正確に計量する習慣をつけましょう。目分量では毎回味が安定せず、薄くなったり濃すぎたりする原因になります。
また、粉をバスケットに入れた際に、縁までしっかりと粉が満たされていることが大切です。タンピング(粉を押し固める作業)をする前の段階で、山盛りになるくらいの量を入れてから平らにならすのが、適切な密度を作るためのポイントとなります。
タンピングの強さと均一性を見直してみる
粉をバスケットに詰めた後、タンパーで押し固める「タンピング」も重要な工程です。この力が弱すぎると、お湯が粉の抵抗をあまり受けずに通り抜けてしまい、結果として味が薄くなってしまいます。しっかりと圧力をかけることが必要です。
理想的なタンピングは、腕の重さを垂直に乗せるようにして、粉の表面が水平かつ平滑になるまで押し込むことです。スティローザに付属しているプラスチック製のタンパーでも抽出は可能ですが、どうしても力が伝わりにくいという難点があります。
粉が斜めになってしまうと、お湯が通りやすい道(チャネリング)ができてしまい、一部の粉からしか成分が抽出されません。これが薄さや雑味の原因になります。水平を意識し、粉がしっかりと固まって「コーヒーの壁」を作るようなイメージで作業を行いましょう。
タンピングの際は、テーブルと垂直に力をかけることを意識してください。体重を少しかける程度で、粉がそれ以上沈まなくなれば十分な圧力がかかっています。
豆の選び方と鮮度が「薄さ」に与える大きな影響

マシンや技術に問題がなくても、使用するコーヒー豆そのものがエスプレッソに適していない場合、どうしても仕上がりは薄くなってしまいます。エスプレッソは高い圧力をかけて短時間で抽出するため、豆の特性がダイレクトに反映されるからです。
特に「クレマ」と呼ばれる表面の黄金色の泡が出ない場合、豆の鮮度や焙煎度合いに原因があることが多いです。このセクションでは、スティローザで濃厚な一杯を淹れるために欠かせない、豆選びのポイントについて詳しく解説していきます。
エスプレッソに適した焙煎度合いを選んでいますか?
エスプレッソには、一般的に「深煎り(フルシティローストやフレンチロースト)」の豆が適しています。浅煎りの豆は組織が硬く、短時間の加圧抽出では成分が溶け出しにくいため、どうしても味が薄く、尖った酸味ばかりが目立ってしまいます。
濃厚なコクと甘み、そして厚みのあるボディ感を楽しみたいのであれば、表面に少し油分が浮いているような深煎りの豆を選んでみてください。深煎りの豆は抽出効率が高く、スティローザの圧力を最大限に活かした濃厚なリキッドを生み出してくれます。
もし現在、パッケージに「マイルド」や「ライト」と書かれた豆を使用しているのであれば、一度「エスプレッソブレンド」や「ダークロースト」と表記されたものに変えてみてください。それだけで、驚くほど味が濃く感じられるようになるはずです。
焙煎から時間が経過した古い豆はクレマが出にくい
エスプレッソの見た目の濃さを象徴するクレマは、豆に含まれる二酸化炭素(ガス)が加圧されることで発生します。しかし、焙煎してから時間が経ちすぎた豆は、このガスが抜けてしまっており、抽出してもクレマが全く出ず、薄いコーヒーに見えてしまいます。
スーパーなどで販売されている賞味期限の長い豆は、焙煎から数ヶ月経っていることも珍しくありません。理想は焙煎後3日から2週間以内の新鮮な豆を使用することです。新鮮な豆であれば、スティローザでも驚くほど豊かなクレマを立てることができます。
古い豆を使うと、お湯が粉の中を通り抜ける際の抵抗も弱くなるため、抽出スピードが速まり、水っぽい質感になります。濃厚なエスプレッソのためには、「いつ焙煎されたか」が明記されているコーヒー専門店の豆を購入することをおすすめします。
豆の鮮度を確認する方法
抽出した際に、表面にきめ細かな泡(クレマ)が層になって残るかどうかを確認してください。数秒で泡が消えてしまう、あるいはお湯の表面のような状態であれば、豆の鮮度が落ちているサインです。
鮮度を保つための正しい保存方法と豆選びのコツ
せっかく新鮮な深煎りの豆を手に入れても、保存状態が悪いとすぐに劣化してしまいます。コーヒー豆は酸素、光、湿気、そして熱に非常に弱いです。これらの要因を避けることで、美味しい状態を長く保ち、薄いエスプレッソになるのを防げます。
基本的には密閉容器に入れ、直射日光の当たらない涼しい場所で保管してください。特に夏場や長期保存をする場合は、冷蔵庫や冷凍庫を活用するのも有効です。ただし、使用する際は結露を防ぐため、室温に戻してから開封するように注意しましょう。
また、豆の状態で購入し、抽出する直前に挽くのがベストです。粉の状態で保存すると、空気に触れる表面積が爆発的に増えるため、数日で香りとガスが抜けてしまいます。少し手間はかかりますが、淹れる直前に挽くことが、濃厚さを保つ最大のコツです。
スティローザの性能を最大限に引き出す抽出のテクニック

豆と粉の状態が整ったら、次はスティローザ本体の扱い方に目を向けてみましょう。スティローザはコンパクトながらパワフルなマシンですが、そのポテンシャルを発揮させるには、ユーザー側のちょっとした気遣いが必要になります。
特に家庭用マシンにおいて重要なのは「温度管理」と「清潔さ」です。これらを疎かにすると、抽出が不安定になり、味がボヤけたり薄くなったりする原因を作ってしまいます。今日からすぐに取り入れられる、具体的なテクニックを見ていきましょう。
マシンの予熱(ウォーミングアップ)を十分に行う
エスプレッソの抽出には適切な温度が欠かせません。スティローザの電源を入れてすぐに抽出を始めると、お湯の温度が十分に上がりきらず、さらに冷たいホルダーやカップにお湯が触れることで急激に温度が下がってしまいます。
温度が低いとコーヒーの成分が十分に溶け出さず、薄い味わいになってしまいます。これを防ぐために、抽出前に必ず「空通し」を行ってください。粉を入れない状態でポルタフィルターをセットし、お湯だけを流して内部経路とホルダーを温めます。
同時に、使用するカップにもお湯を入れて温めておきましょう。マシン全体がしっかりと熱を帯びた状態で抽出を行うことで、コーヒーのオイル分が溶け出しやすくなり、口当たりの良い濃厚なエスプレッソが仕上がります。
フィルターバスケットの目詰まりや清掃状況を確認
スティローザに付属しているフィルターバスケットは、圧力を高めるために底面が特殊な構造(クレマディスク)になっています。この小さな穴がコーヒーの微粉や古い油分で目詰まりしていると、お湯の流れが悪くなり、抽出が不安定になります。
目詰まりが起きると、お湯が特定の場所からしか出なくなり、粉の一部しか使われないという状況を招きます。これが結果的に薄い抽出の原因となるのです。使用後は必ずバスケットをホルダーから外し、裏側まで丁寧に水洗いしてください。
また、週に一度は専用のクリーナーや、薄めた中性洗剤を使用して油分を落とすことをおすすめします。常に清潔な状態を保つことで、お湯が均一に粉を通り、豆本来のパンチのある味わいを安定して引き出せるようになります。
抽出量(お湯の量)を適切にコントロールする
スティローザで薄いと感じる原因として意外に多いのが、お湯を流しすぎているケースです。エスプレッソは本来、25mlから30ml程度の非常に少ない量を楽しむ飲み物です。これを一般的なコーヒーカップ一杯分まで抽出し続けると、当然ながら味は薄くなります。
抽出が進むにつれて、コーヒーから出る成分は薄くなっていきます。後半に出るお湯は「出し殻」のようなもので、雑味や苦味の強い成分が多く含まれます。濃厚で美味しい部分だけを取り出すには、適切なタイミングで抽出を止める勇気が必要です。
目安としては、20秒から30秒の間で30ml程度を目標にしましょう。ショットグラスやデジタルスケールを使い、抽出量を量りながら淹れるのが確実です。お湯の量を制限することで、凝縮された旨味をしっかりと感じられるようになります。
抽出終了間際、流れ出る液体の色が白っぽくなってきたら(ブロンド現象)、すぐにスイッチを切ってください。そこから先は薄い雑味成分しか出てきません。
さらに美味しい一杯を目指すためのカスタマイズと機材選び

基本をマスターしても、さらに「お店のようなプロの味」を追求したいのであれば、スティローザに少しだけ手を加えてみるのも一つの楽しみです。家庭用の枠を超えた、より本格的なエスプレッソの世界が広がります。
スティローザはパーツの互換性が高く、カスタマイズがしやすいマシンとしても人気があります。ここでは、薄いエスプレッソから卒業し、ワンランク上の濃厚さを手に入れるためのステップアップ術をご紹介します。
付属のフィルターバスケットからアップグレードする選択肢
スティローザに標準で付属しているバスケットは、誰でも簡単にクレマが出るように設計された「加圧式」です。しかし、この構造は便利である反面、豆本来の濃厚な質感や繊細な風味を完全に再現するには限界があります。
もし、より濃厚で本格的なエスプレッソを目指すなら、「非加圧式(シングルウォール)」のバスケットに交換してみるのがおすすめです。非加圧式は粉の挽き目やタンピングがシビアになりますが、正しく淹れられた時の重厚感は別格です。
ただし、非加圧式を使うには、極細挽きができる精度の高いミルが不可欠になります。少しハードルは上がりますが、マシンのポテンシャルを100%引き出したい方は、ぜひ挑戦してみてください。液体のとろみや風味の解像度が劇的に変化します。
スティローザに最適なグラインダー(ミル)の選び方
コーヒーが薄いと悩む方の多くが、実は「ミル」に課題を抱えています。エスプレッソにおいて、ミルはマシンと同じか、それ以上に重要な機材です。粉の粒子が均一でないと、お湯が通りやすい場所と通りにくい場所ができ、抽出ムラが発生します。
スティローザの性能を活かすなら、エスプレッソ専用の「コニカルバー」または「フラットバー」を搭載した電動ミルを検討してみてください。無段階、あるいは非常に細かいステップで調整できるモデルであれば、薄い抽出を微調整で解決できます。
手動のミルを使いたい場合は、エスプレッソ対応を謳っている高性能なハンドグラインダーを選びましょう。数千円の安価なミルでは、エスプレッソに必要な極細挽きができないことが多く、薄さの原因を解消できない可能性があるため注意が必要です。
ミルの選び方のポイント
・エスプレッソ専用、または極細挽き対応と明記されているか
・粒度の調整が細かく(できれば無段階で)行えるか
・微粉が少なく、粒の大きさが揃っているか
ディストリビューションツールで粉の偏りを防ぐ
粉をバスケットに入れた際、目に見えない「ダマ」や「密度の偏り」があると、抽出時にそこからお湯が抜けてしまい、味が薄くなります。これを解決するのが「ディストリビューション(粉の均一化)」という工程です。
専用のディストリビューターや、針のようなツール(WDTツール)を使って粉をかき混ぜることで、バスケット内の密度を一定にします。これにより、タンピング後の粉の層が完璧に均一になり、お湯が粉の隅々まで行き渡るようになります。
このひと手間を加えるだけで、抽出の安定感が飛躍的に向上します。特に「ある時は濃く、ある時は薄い」といったバラツキに悩んでいる方には非常に効果的な方法です。道具を揃えるのが難しい場合は、指や細い棒で表面を丁寧にならすだけでも効果があります。
よくあるトラブルと「薄い」以外の違和感を解消するQ&A

スティローザを使っていると、単に「薄い」だけでなく、他にもさまざまな疑問やトラブルに直面することがあります。エスプレッソはデリケートな飲み物なので、ちょっとした変化に敏感になってしまうものです。
ここでは、ユーザーの方からよく聞かれる具体的な悩みについて、Q&A形式で解決策をまとめてみました。薄さの裏側にある本当の原因を見つける手がかりにしてください。日々の抽出をより楽しく、自信を持って行えるようになるはずです。
抽出スピードが速すぎてシャバシャバになってしまう
抽出を開始して数秒でドバドバとお湯が出てきてしまうのは、粉が十分な抵抗を作れていない証拠です。この状態ではコーヒーの美味しい成分が出る前に、お湯で薄められた液体だけがカップに溜まってしまいます。
まずは粉の挽き目をさらに細かくし、量を1g増やしてみてください。また、タンピングの力が弱くないか再確認しましょう。適切な抽出スピードは、ポタポタと垂れ始めてから細いネズミの尻尾のような筋になる状態です。
もしこれらを試しても改善しない場合は、豆が古くなってガスが抜けていないか確認してください。古い豆は粉同士が密着しにくいため、どうしても抽出が速くなりがちです。新鮮な豆に変えるだけで、驚くほど抽出スピードが安定することがあります。
クレマが白っぽくすぐに消えてしまう理由
抽出した直後は泡があるのに、すぐに消えてしまったり、色が白っぽかったりする場合、それは「薄い抽出」のサインである可能性が高いです。これを「アンダーエキストラクション(未抽出)」と呼びます。
主な原因は「お湯の温度不足」か「豆の鮮度不足」です。先ほどご紹介した空通しを徹底し、しっかりと予熱を行ってください。また、ライトな焙煎の豆を使っている場合も、クレマの色は薄くなり、消えやすくなります。
一方で、抽出量が多すぎる場合も、後半に出る白い泡(ブロンド)が混ざることでクレマが白っぽくなります。2杯用バスケットでも、抽出は30ml程度で止めるように意識してみてください。厚みのある、赤褐色(ヘーゼルナッツ色)のクレマを目指しましょう。
ミルクメニューにしたときに味がボヤけてしまう場合
スティローザでカフェラテやカプチーノを作る際、ミルクに負けて味が薄いと感じる場合は、ベースとなるエスプレッソの濃度が不足しています。ミルクの甘みに負けないためには、より「強い」エスプレッソが必要です。
対策としては、抽出量をあえて少なめに設定することです。通常の30mlではなく、「リストレット」と呼ばれる20ml程度の極めて濃厚な抽出をベースにしてみてください。また、粉の量を上限まで増やして抽出するのも有効です。
使用する豆も、ロブスタ種がブレンドされたイタリアンスタイルの豆を選ぶと、ミルクに負けない力強い苦味とコクが出やすくなります。ミルクの量も欲張らず、エスプレッソ1に対してミルク3から4程度の比率に抑えるのが、味がボヤけない黄金比です。
デロンギ スティローザで薄いコーヒーを卒業して濃厚な一杯を楽しむために
デロンギのスティローザで淹れたコーヒーが薄いと感じる問題は、一つひとつの工程を丁寧に見直すことで必ず解決できます。このマシンは、基本に忠実であれば、家庭用としては十分すぎるほど濃厚で香り高いエスプレッソを淹れる実力を持っています。
まずは、以下の3点を重点的にチェックしてみてください。
・豆を極細挽きにし、量を正確に計る(12〜14g)
・焙煎から日が浅い、新鮮な深煎りの豆を使用する
・抽出前にマシンを予熱し、抽出量を30mlで止める
これらを実践するだけでも、今までとは見違えるような、とろりとした質感の濃厚なエスプレッソに出会えるはずです。一度コツを掴んでしまえば、毎朝のコーヒータイムがより豊かで、楽しみな時間に変わります。
エスプレッソの抽出は、料理と同じように素材と火加減(温度)、そして少しの技術の積み重ねです。スティローザという素晴らしい道具を使いこなし、あなただけの「最高の一杯」を追求してみてください。自宅が素敵なカフェに変わる日は、すぐそこまで来ています。



