カフェやカプセル式コーヒーマシンで見かける「ルンゴ」。普通のコーヒーやエスプレッソ、アメリカーノと何が違うのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
ルンゴはコーヒーとは別の飲み物ではなく、エスプレッソより多くのお湯をコーヒー粉に通して抽出するコーヒーです。エスプレッソより量が多く、濃度は穏やかになりますが、抽出時間が長いため、苦味や香ばしい余韻を感じやすい傾向があります。
一方、一般的なドリップコーヒーとは抽出方法が異なり、アメリカーノとはお湯の使い方が異なります。この記事では、コーヒーとルンゴの違いをはじめ、エスプレッソやアメリカーノとの比較、自宅でおいしく楽しむポイントまで分かりやすく解説します。
コーヒーとルンゴの違いを簡単に比較

最初に押さえておきたいのは、「コーヒー」と「ルンゴ」が対立する言葉ではないという点です。コーヒーは飲み物全体を表す広い名称であり、ルンゴはエスプレッソマシンを使った抽出スタイルの一つです。
| 比較項目 | ドリップコーヒー | ルンゴ |
|---|---|---|
| 抽出方法 | 主に重力でお湯を通す | 圧力をかけてお湯を通す |
| 使用する器具 | ドリッパー、コーヒーメーカーなど | エスプレッソマシン、カプセル式マシンなど |
| 一般的な量 | 約120〜200ml | 約60〜110mlが目安 |
| 味わい | 香りが広がりやすく、比較的すっきり | 香ばしさと苦味を感じやすい |
| 口当たり | 軽やかでクリア | エスプレッソらしい厚みが残る |
ルンゴの量に厳密な共通規格があるわけではなく、店舗やマシンによって設定は異なります。例えば、カプセル式マシンではエスプレッソを約40ml、ルンゴを約110mlとしている製品があります。
【コーヒーとルンゴの違い】
・コーヒーは飲み物全体を表す名称です。
・ルンゴはエスプレッソの抽出方法の一つです。
・ドリップコーヒーは主に重力、ルンゴは圧力を利用して抽出します。
・ルンゴはエスプレッソより量が多く、香ばしい苦味が残りやすい傾向があります。
ルンゴとはどのようなコーヒー?

ルンゴは、通常のエスプレッソよりも多くのお湯をコーヒー粉に通して抽出します。単にエスプレッソをお湯で薄めるのではなく、抽出時に使う湯量そのものを増やすのが特徴です。
ルンゴはイタリア語で「長い」という意味
ルンゴは、イタリア語で「長い」を意味する言葉です。通常のエスプレッソより抽出を長く続けることから、この名前で呼ばれています。
エスプレッソでは少量のお湯を短時間でコーヒー粉に通しますが、ルンゴでは同じ程度の粉量に対して、より多くのお湯を通します。そのため、出来上がるコーヒーの量は増え、濃度はエスプレッソより低くなります。
ただし、濃度が低いからといって、必ずしも味が弱いわけではありません。抽出の後半に出やすい苦味や香ばしさが加わるため、飲んだときにしっかりとした存在感を感じることがあります。
エスプレッソより量が多く、苦味を感じやすい
ルンゴはエスプレッソより多くのお湯を使うため、口に含んだ瞬間の濃厚さは穏やかになります。一方で、コーヒー粉にお湯が触れる時間が長くなることから、苦味やロースト感、乾いたような余韻が表れやすいのが特徴です。
味わいは使用する豆、焙煎度、挽き目、抽出量によって変わります。すべてのルンゴが強く苦いわけではなく、専用に調整されたカプセルや豆では、穀物、ナッツ、花、果実などの繊細な香りを楽しめる場合もあります。
抽出量を増やしすぎると、薄さと不快な渋味が目立つことがあります。ルンゴは「できるだけ長く抽出したコーヒー」ではなく、豆に合わせた適切な量で止めることが大切です。
表面にはクレマができる
ルンゴはエスプレッソと同じように圧力を利用して抽出するため、表面に「クレマ」と呼ばれる泡の層ができます。クレマには香りが含まれ、ルンゴらしい見た目と口当たりを作る要素になります。
ただし、クレマが厚ければ必ずおいしいというわけではありません。豆の鮮度や種類、マシンの方式によって量や状態が変わるため、香りや甘味、苦味のバランスも含めて味わうことが重要です。
ルンゴ・エスプレッソ・アメリカーノの違い

ルンゴと混同されやすい飲み物に、エスプレッソとアメリカーノがあります。いずれもエスプレッソマシンを使いますが、お湯をどのように使うかが異なります。
| 種類 | 作り方 | 味わいの傾向 |
|---|---|---|
| エスプレッソ | 少量のお湯で短く抽出する | 濃厚で、とろみや強い香りがある |
| ルンゴ | 多めのお湯を粉に通して抽出する | 濃度は穏やかで、苦味や香ばしい余韻が出やすい |
| アメリカーノ | 抽出したエスプレッソにお湯を加える | すっきりしていて飲みやすい |
| ロングブラック | お湯を入れたカップにエスプレッソを注ぐ | 香りやクレマを残しやすい |
ルンゴとエスプレッソの違い
エスプレッソとルンゴの主な違いは、コーヒー粉に通すお湯の量と、出来上がる液量です。
エスプレッソは少量で濃度が高く、甘味や酸味、香りが凝縮された味わいになります。ルンゴは抽出量が多いため、エスプレッソよりさらりとした口当たりになりますが、抽出後半の成分も加わることで、苦味の余韻を感じやすくなります。
少量でも濃厚な一杯を楽しみたいときはエスプレッソ、もう少し量を飲みながら香ばしさを味わいたいときはルンゴが向いています。
ルンゴとアメリカーノの違い
ルンゴとアメリカーノは、どちらもエスプレッソより量の多いブラックコーヒーですが、作り方が異なります。
ルンゴは、多めのお湯をコーヒー粉に直接通して抽出します。アメリカーノは、通常どおり抽出したエスプレッソに、後からお湯を加えて作ります。
アメリカーノでは、追加するお湯がコーヒー粉に触れません。そのため、エスプレッソの味を保ちながら濃度を下げた、比較的すっきりした味わいになります。
ルンゴではすべてのお湯が粉を通るため、アメリカーノよりも抽出後半の苦味や香ばしさが加わりやすくなります。「軽やかで飲みやすい味ならアメリカーノ」「香ばしい苦味と余韻ならルンゴ」と考えると選びやすいでしょう。
ルンゴとロングブラックの違い
ロングブラックは、お湯を入れたカップにエスプレッソを注いで作ります。材料はアメリカーノとほぼ同じですが、注ぐ順番が異なります。
先にお湯を入れておくことで、エスプレッソを注いだときに表面のクレマを残しやすいのが特徴です。ルンゴのように抽出量を増やすわけではないため、味の構成はアメリカーノに近くなります。
ドリップコーヒーとルンゴの違い

日本で「普通のコーヒー」といった場合、多くはドリップコーヒーを指します。ドリップコーヒーとルンゴは、見た目が似ていることもありますが、抽出の仕組みや味わいが異なります。
抽出に圧力を使うかどうかが異なる
ドリップコーヒーは、主に重力を利用してお湯をコーヒー粉に通します。ペーパーフィルターを使う場合は、微粉や油分の一部が取り除かれ、すっきりした口当たりになりやすいのが特徴です。
ルンゴはエスプレッソマシンの圧力を利用し、細かく挽いたコーヒー粉にお湯を通します。ドリップより短い時間で抽出され、クレマやエスプレッソ特有の質感を楽しめます。
同じ量でも味の感じ方が異なる
ドリップコーヒーは、香りや酸味をゆっくり楽しみやすく、温度が下がるにつれて味の変化も感じられます。ルンゴはドリップより量が少ないことが多く、香ばしさや苦味がまとまって感じられます。
ただし、ドリップコーヒーにも濃厚なものがあり、ルンゴにも軽やかなものがあります。味は抽出方法だけでなく、豆の種類、焙煎度、粉量によっても変わります。
ルンゴはカフェインが多い?

ルンゴは抽出時間が長いため、同じ豆と粉量で短く抽出したエスプレッソより、カフェインがやや多く抽出される場合があります。しかし、必ずルンゴのカフェイン量が多くなるとは限りません。
カフェイン量は、次のような条件によって変わります。
- 使用するコーヒー豆の品種
- コーヒー粉の量
- カプセルに入っている豆の量
- 抽出時間と抽出量
- ブレンドや焙煎の設計
例えば、ルンゴ専用カプセルには、エスプレッソ用とは異なる量や配合のコーヒーが入っていることがあります。そのため、「ルンゴはエスプレッソの何倍」と一律には判断できません。
また、味の濃さとカフェイン量は同じではありません。濃厚なエスプレッソより、たっぷり飲むドリップコーヒーのほうが、一杯当たりのカフェイン量が多くなる場合もあります。摂取量が気になる方は、製品ごとの表示を確認するか、デカフェを選びましょう。
ルンゴに向いているコーヒー豆の選び方

ルンゴは抽出量が多いため、豆の選び方によって苦味、酸味、香りの印象が大きく変わります。好みに合わせて焙煎度や風味を選びましょう。
香ばしさを楽しむなら中深煎りから深煎り
チョコレート、ナッツ、カラメルのような香ばしい味が好きな方には、中深煎りから深煎りの豆が選びやすいでしょう。ルンゴにしたときもコーヒーらしいコクが残りやすく、ミルクや砂糖とも合わせやすいのが特徴です。
ただし、深煎りの豆を必要以上に長く抽出すると、焦げたような苦味や渋味が目立つことがあります。深煎りだから長時間抽出に向いているとは限らないため、味を確認しながら抽出量を調整してください。
華やかな香りを楽しむなら浅煎りから中煎り
浅煎りや中煎りの豆を使うと、果実や花、紅茶を思わせる香りを楽しめる場合があります。深煎りとは異なる、軽やかなルンゴを飲みたい方に向いています。
一方で、豆や抽出条件によっては酸味や渋味が強く感じられることがあります。浅煎りのルンゴを試す場合は、最初から抽出量を多くしすぎず、少しずつ調整すると失敗を防ぎやすくなります。
カプセル式ならルンゴ専用を選ぶ
カプセル式マシンを使う場合は、「ルンゴ向け」「110ml推奨」などと表示されたカプセルを選ぶのが簡単です。ルンゴ専用カプセルは、多めのお湯で抽出することを想定して、豆の量やブレンド、焙煎が調整されています。
エスプレッソ用カプセルをルンゴの設定で抽出すると、製品によっては味が薄くなったり、苦味や渋味が目立ったりします。対応する抽出量は、パッケージやメーカーの案内を確認しましょう。
自宅でルンゴをおいしく淹れる方法

ルンゴの淹れ方は、カプセル式マシンと手動のエスプレッソマシンで異なります。どちらの場合も、単に抽出を長くすればよいわけではありません。
カプセル式マシンで淹れる場合
カプセル式マシンでは、ルンゴ対応カプセルをセットし、ルンゴボタンを押すのが基本です。機種によっては抽出量を変更できますが、最初は初期設定やカプセルの推奨量で試しましょう。
味が薄いと感じたときは、抽出量を増やすのではなく、少し減らすほうが改善する場合があります。苦味や渋味が強い場合も、抽出量を減らして確認してください。
使用済みカプセルを再度抽出して量を増やす方法は、香りが弱く、渋味の強い仕上がりになりやすいためおすすめできません。量を増やしたい場合は、アメリカーノのように抽出後にお湯を加える方法が適しています。
エスプレッソマシンで淹れる場合
手動のエスプレッソマシンでは、通常のエスプレッソと同程度の粉量を使い、出来上がる液量を増やしてルンゴにします。目安として、通常のエスプレッソより1.5〜2倍程度の抽出量から試し、豆に合わせて調整するとよいでしょう。
適切な抽出量は、使用するバスケット、豆、焙煎度、挽き目によって変わります。秒数だけで判断するのではなく、次の点を確認してください。
- 苦味だけが強くなっていないか
- 口の中に乾くような渋味が残らないか
- 水っぽく、香りが弱くなっていないか
- 甘味や香ばしさを感じられるか
抽出後半に液体の色が極端に薄くなり、味も水っぽく感じる場合は、抽出量が多すぎる可能性があります。そこで止め、足りない量はお湯で調整すると、アメリカーノに近いすっきりした味に仕上げられます。
挽き目は流れを見ながら調整する
通常のエスプレッソと同じ挽き目で抽出できる場合もありますが、流れが遅すぎると、苦味や渋味が目立ちやすくなります。その場合は、挽き目をわずかに粗くする方法があります。
反対に、勢いよく流れて味が薄い場合は、少し細かくするか、粉量や詰め方を見直します。一度に大きく変更せず、挽き目や抽出量を少しずつ調整すると、好みのバランスを見つけやすくなります。
ルンゴをおいしく淹れるポイント
・対応するカプセルや豆を使います。
・最初から抽出量を増やしすぎないようにします。
・苦味、渋味、水っぽさを確認しながら量を調整します。
・量だけ増やしたい場合は、お湯を後から加える方法も検討します。
ルンゴがおすすめな人

ルンゴは、エスプレッソの香りを残しながら、もう少し量を飲みたい方に向いています。特に次のような方におすすめです。
- エスプレッソでは量が少ないと感じる方
- 香ばしい苦味や長い余韻が好きな方
- ドリップコーヒーとは異なる口当たりを楽しみたい方
- ブラックでゆっくり飲めるコーヒーを探している方
- ミルクを加えてもコーヒーの存在感を残したい方
反対に、強い苦味が苦手な方や、すっきりした味を求める方には、アメリカーノやドリップコーヒーが合う場合があります。
ルンゴのおすすめアレンジ

ルンゴはブラックだけでなく、ミルクや氷を使ったアレンジでも楽しめます。苦味が強いと感じる場合にも試しやすい方法です。
ミルクを加える
温めたミルクを加えると、苦味が和らぎ、まろやかな味になります。ルンゴはエスプレッソより液量が多いため、ミルクを入れすぎると味がぼやけることがあります。最初は少量ずつ加えましょう。
深煎りのルンゴには、ミルクの甘味がよく合います。砂糖やブラウンシュガーを少量加えると、カラメルのような香ばしさも楽しめます。
アイスルンゴにする
氷を入れたグラスにルンゴを注げば、手軽にアイスで楽しめます。ただし、氷が溶けると味が薄くなるため、抽出量を少し控えるか、大きめの氷を使うのがおすすめです。
熱いコーヒーをガラス容器に直接注ぐ場合は、必ず耐熱グラスを使用してください。
トニックウォーターと合わせる
氷とトニックウォーターを入れたグラスに、冷ましたルンゴをゆっくり注ぐと、炭酸の爽快感とコーヒーの苦味を楽しめます。トニックウォーターにも苦味と甘味があるため、ルンゴは少量から加えるとバランスを整えやすくなります。
ルンゴに関するよくある質問

最後に、ルンゴを選ぶときや自宅で抽出するときに疑問になりやすいポイントをまとめます。
ルンゴは普通のコーヒーと同じですか?
同じではありません。ルンゴはコーヒーの一種ですが、日本で普通のコーヒーと呼ばれることが多いドリップコーヒーとは、抽出方法が異なります。ルンゴはエスプレッソマシンの圧力を使って抽出します。
ルンゴは薄いエスプレッソですか?
エスプレッソより濃度は低くなりますが、単純にお湯で薄めたものではありません。多くのお湯をコーヒー粉に通すため、抽出される成分の構成も変わり、苦味や香ばしい余韻が表れやすくなります。
ルンゴとアメリカーノはどちらが苦いですか?
同じ豆とエスプレッソを基準にした場合は、ルンゴのほうが苦味や渋味を感じやすい傾向があります。アメリカーノは抽出後にお湯を加えるため、比較的すっきりした味になります。ただし、豆や配合によって結果は変わります。
エスプレッソ用カプセルでルンゴを淹れてもよいですか?
抽出自体はできる機種が多いものの、推奨量を超えて抽出すると、薄さや渋味が目立つ場合があります。ルンゴ専用カプセルを使うか、エスプレッソとして抽出した後にお湯を加える方法がおすすめです。
ルンゴにミルクを入れてもよいですか?
問題ありません。少量のミルクを加えると、ルンゴの香ばしさを残しながら苦味を和らげられます。砂糖、シナモン、ココアなどを加えて楽しむこともできます。
まとめ:ルンゴは多めのお湯で長く抽出するエスプレッソ
ルンゴは、通常のエスプレッソより多くのお湯をコーヒー粉に通して抽出する飲み方です。エスプレッソより量が多く、濃度は穏やかになりますが、香ばしい苦味や長い余韻を感じやすい特徴があります。
ドリップコーヒーとの違いは、圧力を利用して抽出することです。アメリカーノとの違いは、後からお湯を加えるのではなく、すべてのお湯をコーヒー粉に通すことにあります。
濃厚な少量のコーヒーを楽しみたいならエスプレッソ、すっきりした味をたっぷり飲みたいならアメリカーノ、エスプレッソらしい香りと香ばしい苦味を適度な量で楽しみたいならルンゴが向いています。
カプセル式マシンではルンゴ専用カプセルを選び、手動のエスプレッソマシンでは抽出量を少しずつ調整してみましょう。それぞれの違いを知ることで、その日の気分に合ったコーヒーを選びやすくなります。


